アンケート三昧の大学

医学部も含めて最近の大学は学生に対するアンケートが多い。前期・後期の講義の終了後に行う授業評 価ためのアンケートの他に入学試験の面接官の態度を問うアンケートもある。教員のランク付けのためのアン ケート(人気投票というべきか)を行っている大学…

医学部教授になるための条件 その1

医学部というとどんなイメージを思い描くだろうか?歴史と実績に基づいた教育システム、高度で洗練された教育内容、朝から晩まで勉学に勤しむ優秀で礼儀正しい学生、診療や研究に勤しむ医師、冷静かつ頭脳明晰で人格者である教授、といったところだろう。し…

医学部教授になるための条件 その2

(前回から続く http://smedpi.hatenablog.com/entry/2014/02/22/175554) 教授になるために大切な第二の条件は運である。教授が新任後に思いもかけず早世してしまう例は珍しくはない。教授選に破れて他の大学に転出した助教授が呼び戻されて、めでたく元の…

医学部教授になるための条件 その3

(前回から続く http://smedpi.hatenablog.com/entry/2014/02/22/225323) 教授になるための第三の条件は、どの組織にも共通することだが、上司に目をかけられることである。決して教授に逆らわず、教授によく付き合い、盆暮れの贈り物を欠かさない。そして…

医学教育と医学生気質

医学部は6年制である。1年生で語学・生物・物理・化学・心理学などの教養科目を学ぶ。2年生から3年生にかけて解剖・生理・病理などの基礎医学を学び、4年生で内科・外科などの臨床医学を修得する。1年から4年までは病理学などの実習もあるが主に座学である。…

意外と不真面目な医学生たち

医学部の出席率は他の医療系学部に比べて低い。出席カードなどで出欠を取った後、教室からこそこそ(時には堂々と)退席していく学生が結構存在する。出席カードの偽造も後を絶たない。欠席していたのに、「たまたまトイレに行っていた」と言い訳して、後か…

卒業生が誰も行かない医学部の「修士課程」

大学規制緩和以前の医学部では大学院は博士課程のみであった。医学部は修業年数が6年であるから、大学を卒業すると修士相当の教育を受けたことになる。従って、修士課程は医学部には存在しなかった。規制緩和以降、ほとんどの医学部に修士課程が設置された。…

「医学博士」はチョロイ?

「全聾の作曲家であった佐村河内氏は実は作曲していなかった」という衝撃の事実が話題になっている。しかも、聾ではないとのこと。ワイドショーによると、音楽業界ではゴーストライターは珍しくないらしい。実は医学部も似たようなものだ。大学院生の医学博…

医学部は論文ねつ造が多いのか?

報道される記事を見る限り、研究の不正は医学部に多いように感じる。次の2例は、多額の資金を使い、複数の大学で多数の研究者が関与した研究で起こった重篤な事例である。 2014年1月10日、臨床研究「J−ADNI」を巡り、不適切な患者のデータが含まれてい…

増加する女医とガラスの天井

平成22年度における女医の割合は全体で18.9%だが、29歳以下に限ると35.9%であり、年々増加している。どの職種にも言えることだが、女医が結婚して妊娠すると、出産と育児のために一時的に休業する。その後復職する場合もあるが、退職して他の職場へ移動し…

北海道で2例目の心臓移植が行われた。日本初の心臓移植「和田移植」の46年後であった。その裏側で行われた責任転嫁。

2014年1月6日、北海道大学病院(札幌市)循環器外科は、関東地方で頭部外傷のため脳死と判定された成人男性の心臓を20代男性に移植する手術を行った。北海道で心臓移植が行われたのは2例目であるが、1例目は45年前の1968年に札幌医科大学第二外科(胸部外科…

東京女子医大の業務上過失致死事件のもう一人の犠牲者

和田寿郎は札幌医大を退職した後、東京女子医科大学に教授として迎えられ定年を迎えた。北海道で2例目の心臓移植が行われた。日本初の心臓移植「和田移植」の46年後であった。その裏側で行われた責任転嫁。 - 医学部教員の独り言 その女子医大で起こった医療…