医学部教授になるための条件 その2

(前回から続く http://smedpi.hatenablog.com/entry/2014/02/22/175554

  教授になるために大切な第二の条件は運である。教授が新任後に思いもかけず早世してしまう例は珍しくはない。教授選に破れて他の大学に転出した助教授が呼び戻されて、めでたく元の講座の教授に納まったという例がある。棚からぼた餅の幸運の例だが、悲運もある。教授が早世し、その後任として他大学から若い教授が赴任したために、次期教授とみなされ目をかけられていた講師や助教の人生設計が狂ってしまった例。1人の教授を頂点とした講座制ゆえの悲哀が生まれるのである。

  文系や看護などの医療系では講座制ではなく科目担当制を敷いているところが多く、業績と就業年数によって順当に教授に昇進できる可能性が高い。講座制の場合、所属する教員の数は大学によって決まっており、内訳は基本的には教授1人、准教授、講師、助教それぞれ数名である。講師は必ずしも必要ではない。完全なピラミッド構造になっているので、上位の職位の者が辞めなければ位は上がらない可能性がある。いくら優秀で業績があっても出世できないわけである。他の学部ではとっくに教授に昇進しているほどの業績なのに、医学部では10年以上も助教または講師のままという者が山のように存在する。2流・3流の大学の教授よりも1流の大学の助教の方が業績や能力はずっと上、ということは意外と多いのである。

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